1999年4月29日、八極拳社は、八極門第七代宗師・呉連枝老師を初めて四国の地にお迎えして、特別練習を行った。
特練は三部構成で実施。第一部は午後2時30分、練習開始。主眼は、先ずは老師に我々の練習を見て頂くことにある。桩功に続いて一斉に小架一路を一通り行ったあと、同じく小架を一人づつ表演。再び皆で単打。最後に老師に「劈杆子」を特別に披露して頂いた。「劈杆子」は槍の対練である。槍は八極門の最重要武器であることは言うまでもない。
第二部は必須課目の「吃飯」。八極の功夫には絶対に欠かせないものである。これは今回の主要なテーマの一つ「孟村疑似体験」のために用意された。本日のメニューは「餃子」。あらかじめ老師が下準備してあった具を全員で包んで調理し、そして食べる。その、とてつもない量を平らげた頃には、第三部の練習開始時間が迫っていた。
第三部は老師にも動いて頂き、全員で小架、単打。そして第三部の目玉は何と言っても「四朗寛」の学習である。参加者は、まだ学び始めて一、二年の者がほとんどのため、老師と相談の上、決定した。一日で套路全動作を学び終えられるものではないが、冒頭部分を中心に、用法に至るまで、かなり充実した練習になった。練習は午後9時終了。茶を飲みながらの歓談の後、午後11時に散会した。
今回の老師の来訪では幸運にも「特練」とは別に、予定外の練習も急遽、組み入れられ、西日本各地から集まった数名の同門学生に対し、提柳刀(*1)、六合槍(*2)の御指導を頂いた。短い期間ではあったが、八極拳社として始まって以来の歴史的なイベントは「特練」の成果と共に、この上ない収穫に恵まれることができた。
*1 提柳刀→今回学習した套路は、以前の套路と比べて、招式の順序に若干の移動があり、洗練された印象を受ける。
*2 六合槍→花槍、大槍、劈杆子。
(1999.5.10作成/7.15更新)